大人の心に響く絵本★サリーのこけももつみ〜旅をする木より

今年は野いちごが豊作のようであちらこちらで目につきます。うちの裏の原っぱにもたくさんなって、野いちごのトゲで手を引っかきキズだらけになりながら、娘と2人して夢中で集めました。ポトンポトンとバケツに落ちる音を聞いていたらこの本を思い出しました。

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サリーのこけももつみ

 

ある秋の日、お母さんと子どもがバケツを下げて、山へブルーベリー摘みに出かけます。(こけももと訳されてますがブルーベリーのことだそうです。翻訳された当時の日本ではまだブルーベリーが知られていなくて、日本にもある「こけもも」と訳されたそうです) お母さんも子どももブルーベリー摘みに夢中でいつの間にかはぐれてしまいます。

 

同じ山へ親子のクマがブルーベリーを食べにきていて、こちらも夢中になって食べているうちにはぐれてしまいます。いつの間にか二組の親子は入れ替わり、人間のお母さんの後ろにクマの子が、クマのお母さんの後ろにサリーが、、、というお話です。

 

 

実は初めて読んだ時は、ただちょっと笑える可愛らしいお話しというくらいの印象でした。それがどうして私にとって心に残る絵本になったかというと、大好きな星野道夫さんのエッセイの中で再び出会ったからです。星野さんの語る北国のクマや植物や木の実の話を読んでからこの絵本を見ると、そこには以前読んだのとは全く違ったリアリティーがありました。

 

実際野いちご摘みをしていると、本当にそんなことが起こるだろうとなぁと思えます。摘んでも摘んでもチョット先に赤い実が見えて、帰り時をつかめません。もう少しもう少し、あそこまで摘んだらあそこまで摘んだらと思っているうちに、気づくと夕闇が迫っている。こんなに夢中で集めていたら、後ろの子ども忘れちゃうだろうなーとサリーのお母さんにとっても共感しちゃいます。

 

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この絵本は、星野さんの「旅をする木」という本の中の「北国の秋」に出てきます。アラスカでは「ブルーベリー、今年はどう?」というのが季節のあいさつで、ブルーベリー摘みにゆく人に「クマと頭を鉢合わせするなよ!」と声をかけるそうです。

 

 

街に住んでいると、人間以外の動物が生きている気配を、なかなか感じることができません。地球上にはいろんな暮らし方があって、いろんな時間が流れているんだと頭ではわかっていても、この自分の今いる社会以外の世界をなかなか思い浮かべることができません。ここがすべてのような気がしてしまいます。

 

大人も子どもも狭い社会で、ここが全てだと思ってしまうから、疲れ果ててしまったり、心を病んでしまうのではないでしょうか。何かのきっかけでそうではないと、自分の今いる世界など、広い世界のほんの一部、爪の先ほどのものとわかれば、どれだけ気が楽になることでしょう。

 

本というのは、いろんな考え方やものの見方、世界の広さを教えてくれますが、この絵本もまさしくそんな本です。そして星野さんの本と合わせて読むことで、より一層クマの親子が身近に感じられます。

 

星野さんの本はどの本も、ずっとそのことを伝えてくれているような気がします。私たちが知らないだけで、実は地球のずっと遥かむこうで流れている豊かな時間のことを。

 

「ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。」

(  旅をする木 —–もうひとつの時間—–より)

 

本当は旅に出たいのです。自分の全然知らないところへ、自分を誰も知らないところへ。そして星野さんの言うように、ゆったりとしたもうひとつの時間の中でたゆとうていたい。でもなかなかそれが叶わないので、星野さんの本や写真を見ながら、素敵な絵本を見ながら、いつも心にもうひとつの時間を思い浮かべているのです。

 

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