断捨離で少しずつ物を処分しています。本棚に子どもの絵本がいっぱいで、本当に好きなものだけ残そうと選んでるんですが、これがなかなか難しい、、、そんな中で迷うことなく絶対手放さない本を今日はご紹介します。
もくじ
絵本の魅力
大切な一冊
絵本の魅力
子どもが生まれて、よく言われますが本好きな子どもになって欲しくて、小さい頃から一生懸命に読み聞かせをしました。
最初は読み聞かせをしなきゃ、頑張るぞ、みたいな肩に力が入ったところがあったのですが、すぐにそんなことは忘れて、絵本の魅力に私がまいってしまいました。
詩や短歌や俳句って短いけれど、だから中身が薄いってことないですよね。逆に一言でガシッと心をつかまれたり、気づきをもらったり。
絵本もそうです。子どもにわかる簡単な言葉と表現なのに、大事なものがちゃんと詰まっています。たくさんの言葉の中から本当に子どもに伝わる言葉を選びぬいているからこそ、心に響いてくる。単純なのに奥が深いです。
子どもにとって絵本は自分の知らないことを知り、新しいことを教えてくれる世界への入り口のようなものだと思います。
大人にとっても同じで知らない世界、楽しい世界を見せてくれるものであるのですが、さらに大人だからこその味わい方があります。
絵と言葉に誘われて、長く生きてきて経験したあんなことこんなこと、嬉しい思い悲しい思い、そんな心の奥の部屋にしまわれていた、自分でも忘れていたような思い出や気持ちが、次々と不思議なほどに出てくるのです。
子どもの絵本を読むことで自分も子どものピュアな心に瞬間戻れるのでしょうか。本を読みながらいろんな思いが溢れ、嬉しくなったり涙したり、、、そうやってごつごつした粗削りのままだった思い出が絵本によって癒され、昇華していきます。
絵本が優しく私に「いいよ」と言ってくれます。どんな思い出もどんな経験も、失敗も、「いいよ、大丈夫だよ」と受け止め励ましてくれます。
新しい世界を見せてくれ、温かく包みこみ、前向きで、励ましてくれる。あーそうだ、絵本は子育てそのものです。絵本みたいな親になればいいんだ。今更ですが、、
大切な一冊
好きな絵本はたくさんあるのですが、まず1冊目はこれにします。「くまとやまねこ」
猫が好きで猫が描いてある本だとついつい手にとってしまいます。そんな中でもとびきり心に残るおすすめの本。
とっても有名ですので、読んだことのある方も多いでしょう。仲良しのことりを亡くしたくまを主人公にした湯本香樹実(ゆもと かずみ)さんのおはなしに、酒井駒子(さかい こまこ)さんが絵を描いています。
静かな静かな絵本です。静かにゆっくりと、最愛の友達を亡くしたくまの悲しみから再生までを見せてくれます。
以前この本を買った時にも感動したのですが、それから何年も過ぎて、昨年大切な大切な猫を突然失くして、またこの本を手に取りました。感動云々ではなく、そこに私がいて私の猫がいました。
でも、もうことりはいないのです。
「ああ、きのうはきみがしんでしまうなんて、ぼくはしりもしなかった。もしもきのうの朝にもどれるなら、ぼくはなにもいらないよ」
くまは、大つぶのなみだをこぼしていいました。
悲しみに心を閉ざしていたくまは、時間をかけてことりの死を受け入れます。ことりとのあふれるような大切な思い出。 その思い出を大切に胸の奥にしまって次へと一歩を踏み出します。
くまとことりのお話なのに、タイトルは「くまとやまねこ」。終わりの方で出てくるやまねこが本当にいいんです。自身もきっと悲しい別れを経験したに違いないやまねこ。つらいものを乗り越えてきたからこそできるいたわりと優しさで、あたたかくくまを受け止めてくれます。
誰もが悲しい別れや思いを抱えています。そこにちゃんと向き合って受け止めるからこそ、次に向かう力がわいてくる。心にしまった大切なものが増えた分豊かな自分になれるはず。
「きのうの朝」には戻れないけれど、「きょうの朝」をしっかり生きて行こうとするくま、私もそうありたいと思います。
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