酵素ジュースが大好きなんですが、いつもいろんなことを疑問に思いながら作っています。
今年はちょっと頑張ってそんな疑問を少しでも解決し、安心して酵素ジュースが作れるようにいくつか実験をしてみました。
梅の酵素ジュースとただの梅ジュースとどう違うのか?
手で混ぜることは大事なの?
砂糖の量や種類を変えるとどう変わるか?
そんな実験をしてみました。
さてさて、やっと発酵しましたので、実験結果をお知らせします。
梅ジュースと梅酵素ジュースの違い
これまでの経緯はこちらをどうぞ
梅ジュース 白砂糖1.1倍 |
梅酵素ジュース 白砂糖1.1倍 |
|
実験 | 泡立て器で毎朝晩100回かき混ぜる | 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
発酵 | 6/5仕込 6/27現在発酵せず |
6/5仕込 6/23発酵18日間 |
現在の様子 | 20日目 梅の香が残っている フレッシュ 甘み酸味とも強い |
20日目 梅の香あまりない 複雑でまろやか 甘みが薄くなっている |
*発酵したかどうかの見極めはむすがしいので、今回は泡がプクプクと出るところまできて発酵したと判断しています。他の実験も同様です。
感想
梅ジュースも梅酵素ジュースもどちらにも梅の持つ酵母が入っています。両方ともかき混ぜたのでその違いは手で混ぜるかどうかだけ。
結果を見ると、手で混ぜた方のみ発酵しているので、手の常在菌や温度が影響したと考えられます。
たくさんの菌が酵母の発酵を助け、味に深みをもたらしたと言えそうです。
酵母と糖分があっても必ず発酵するわけではないんですね。そこに「手で混ぜる」が加わると必ず発酵するというのがやっぱり不思議です。
危険を冒してもどうしても手で混ぜなければいけないのか? 理由は? 一番知りたかったそのことが解決できないのはとっても残念ですが、酵素ジュースの秘密はやはり手で混ぜることにあるようです。
安全かどうかは残念ながらこの実験からはわかりません。ただお腹は壊さなかったので大丈夫かなとしかいえません。
こちらに酵素ジュースから菌が顕出された実験記事があります。 食品衛生監視員の方が書かれたそうです。参考にされてください。
砂糖の量による違い
これまでの経緯はこちらをどうぞ
白砂糖 1.1倍 |
白砂糖 1.0倍 |
白砂糖 0.7倍 |
|
実験 | 白砂糖は梅の1.1倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
白砂糖は梅の1.0倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
白砂糖は梅の0.7倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
発酵 | 6/9仕込 6/25発酵16日間 |
6/9仕込 6/18発酵9日間 |
6/9仕込 6/13発酵4日間 |
途中の様子 | 11日目 少しアルコール感あり |
6日目 アルコール感あり 10日目 ほとんど梅酒 |
|
現在の様子 | 18日目 アルコール感なし まろやか |
18日目 11日目からあまり変化なし 1.1倍よりは少しだけアルコール感あり 一番美味しい |
18日目 アルコール臭強い 甘み弱い ジュースとしては美味しくない ほとんど酒 |
感想
砂糖が少ない方から順に発酵していったのには驚きました。
ですが「アルコール発酵」は、砂糖を分解してアルコールと二酸化炭素にするので、それを思えば砂糖が少ない方から早く発酵してアルコールになっていくのもうなずけます。
アルコール発酵
グルコース、フルクトース、ショ糖などの糖を分解して、エタノールと二酸化炭素を生成し、エネルギーを得る代謝プロセスであり、酸素を必要としない嫌気的反応である。酵母は酸素がないところで、糖を用いてアルコール発酵する代表的な生物である。
wikipediaより
ですので酵素ジュースをつくるには、砂糖が少なすぎるといけないということにになります。梅の美味しい成分が溶け出す前にアルコールになってしまいます。
1倍と1.1倍では今のところ同じ結果となっていますが、これから先どうなんでしょ?
このまま発酵が進んでこちらもどんどんアルコールになっていくのかな?
砂糖の量の理由を知りたくて始めた実験、少なすぎるのはダメだとわかりました。ではどの量が最適なのか?
最近買った「植物酵素の手作り帖」に白砂糖を材料の1.1倍にする理由が出ていますので、そちらから引用させていただきます。
白砂糖は植物の細胞膜に浸透して、中の成分を壊さずにエキスを引っ張り出す特性に優れています。植物中の水に溶けている成分をショ糖の浸透圧で抽出するのですから、ショ糖の濃度が高いほうが浸透圧は高くなります。また、酵素を作って保存している間も、腐敗菌の繁殖を防ぐ濃度に保つ必要があります。、、、、
私達が作る植物酵素は、仕込む材料に対して1.1倍の上白糖を使用しています。1.1倍は酵素を異常な発酵や、カビたり腐らせたりしてしないために安全とされる濃度です。材料と同量で作っている方や企業もあります。
でも、衛生面での注意はもちろん、材料の種類によって量を調整するのは大変ですから、経験上最適と考えられる1.1倍で作ることをお勧めします。
実際に実験をしてみて、砂糖の量がたくさん必要というのは納得できました。
1.1倍については厳密なものではなく、材料と同量から1割程度多めと考えてよいようです。
砂糖の種類による違い
できることなら白砂糖は使いたくない、他の体に良さそうな砂糖ではできないのかな?と思ってらっしゃる方も多いと思います。今度はそんな実験です。
白砂糖 1.1倍 |
てんさい糖 1.1倍 |
ハチミツ 1.1倍 |
|
実験 | 白砂糖は梅の1.1倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
てんさい糖は梅の1.1倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
ハチミツは梅の1.1倍 手で毎朝晩100回かき混ぜる |
発酵 | 6/9仕込 6/25発酵 16日間 |
6/9仕込 6/22発酵 13日間 |
6/9仕込 6/19発酵 10日間 |
途中の様子 | なかなか砂糖が溶けない 色が黒っぽい 変な臭い かなりまずい |
砂糖よりベタベタすると思ったが、 梅のエキスが溶け出すと一番 サラサラしている ハチミツの味が少し残る 美味しい |
|
現在の様子 | 18日目 アルコール感なし まろやか |
18日目 少しアルコール感あり 前はまずかったが発酵すると美味しくなった ラム酒のような黒糖っぽい香ばしさと コクがプラス |
18日目 ハチミツの味は残るが 梅の苦み(えぐみ)が出て少し苦い |
こちらも少し本から引用します
それぞれの糖に含まれるショ糖の量は、グラニュー糖99.9%、上白糖97.8%、黒糖75〜86%です。一番効率が良いのはグラニュー糖ですが、これはなかなかとけてくれません。黒糖だと上白糖の1.2倍以上使わなくてはなりません。ハチミツだともっと必要になります。
同じグラム数入れたつもりでも、ショ糖の含有率によって発酵の進み具合が違ってくるんですね。
てんさい糖は、寒い地方で取れるので体を温める性質を持っていますし、ミネラルも多いので体には良いのですが、このミネラルや不純物が発酵の邪魔をして、異常発酵や失敗の原因となりやすいのです。
それでも今回作ってみて、コクと複雑な深味があって、一番魅力的な味でした。
白砂糖の1.1倍というのは本に書いてあった通り、そういういろんな個々に違う条件もうまく包み込んで、美味しく発酵させてくれる量なんだと感じました。
ハチミツは成分を調べてみますと、ショ糖の含まれる割合は1%未満で、36%がブドウ糖、41%が果糖となっています。発酵しなくても始めからほとんど分解されてるんです。
こうしてみるとハチミツってすごい食品なんですね。ハチミツのことは今度またゆっくり調べてみます。
あまりにも成分が砂糖と違うのでよくわかりませんが、酵素ジュースにするとあまり美味しくないというのが感想です。
まとめ
●安全性は疑問
手で混ぜることの是非は結局わかりません。安全性はわからないけれど手で混ぜないと酵素ジュースはできないので(時々例外はありますが)、飲みたければ手で混ぜるしかなさそうです。
よく水洗いした清潔な手でかき混ぜてください。これが唯一最大の安全策のようです。
●酵素ジュースに白砂糖は一番適切
白砂糖を使いたくない、できるだけ少なく、できれば体によい砂糖で、、、そんな思いから始めた実験でした。
実験中に酵素ジュースの作り方の本も購入し、いろいろと学んだことから感じたことは、
やっぱり白砂糖の1.1倍は大事だということ。
繰り返しになりますが、植物のエキスを引き出し、それをきちんと発酵させるには一番適切な砂糖と量なのだとわかりました。
特に果物ではなく野菜や野草で酵素ジュースを作る場合、水分が少ない中からなるべく効率よく素早く材料のエキスを抽出する必要があります。今回の実験でもミネラルの多い砂糖はなかなか溶けなかったので、やはり白砂糖が必須です。
てん菜から作られた上白糖もありますので、白砂糖を使うならそれが一番よさそうです。
スズラン印 上白糖 1kg / 北海道産 ビート上白糖 ビート てんさい糖 てん菜 てん菜糖 甜菜糖 100% 砂糖大根
|
●発酵助成剤が必要
今回すごく感じたことは、思った以上に発酵に時間がかかるということ。梅雨の蒸し暑い一番発酵しそうな季節なのに、基本の白砂糖1.1倍のものは2週間以上かかってしまいました。
本にも書いてありますが、できるだけ早く発酵に持っていくのが、異常発酵させないコツの一つでもあります。
今回わたしは発酵助成剤を使っていませんが、これは必ず必要だと感じました。
なかなか発酵しない間、大丈夫かとドキドキしながら見守りました。
ちなみに今年漬物樽で大量に漬けた酵素ジュースには、米麹を材料の1%入れたのですが、こちらは1週間かからずに発酵しました。
フルーツの酵素ジュースをお楽しみで作るのであれば、発酵助成剤を使い素早く発酵に導けば、てんさい糖のようなミネラルの多い砂糖も使えそうです。
甘酒 米麹 あまざけ麹 ≪甘酒こうじ 500g(乾燥タイプの米麹)≫【希少品のため数量限定】選び抜かれた老舗ホシサン伝統の麹 甘酒 (あまざけ)を手作りしたい方に【乾燥米麹 (米こうじ)】乾燥あまざけ麹 甘酒用米麹 九州 熊本みそ醤油ホシサン
|
●砂糖の害
酵素ジュースに白砂糖が適切というのはわかりましたが、やっぱりどれだけ飲んでもよろしいということとは違いますよね。
美味しいので体によいという免罪符のような言い訳をつけて、ついつい飲み過ぎてしまうんですけどね。
お砂糖がいっぱいであることに変わりありませんから!
普段は水かお茶を飲んでいるのに、酵素ジュースや梅ジュース、紫蘇ジュースなんかを作ると美味しくて嬉しくてついついそちらに手が出てしまいます。ジュースは怖いのですよ。
美味しいですがほどほどに。
私は農家で働いていますが、毎年梅の時期には酵素ジュースを作り、毎日水筒に冷やして持っていきます。
仕事仲間がポカリやらりんご酢やらOS1やらいろいろ持ってくる中で、一番人気はいつもこの酵素ジュース。
さっぱりとしかしとろりと、何とも言えず深くやさしい甘さがのどから体中に染みわたり、生き返ったように感じます。
ですが今回いろいろ調べてみて、安全性についてますます疑問が大きくなりました。今までお腹を壊したり具合が悪くなったことはないので大丈夫だとは思うけれど、やっぱり人さまに差し上げるのは良くないかなぁ、、、
でも多分気にしないから持ってきてと言われるんだろうな、、、なんて考えます。ちょっと複雑
2ヶ月後
普段白砂糖の酵素ジュースを飲んでいて、ちょうどひとビンなくなったので新しくてんさい糖で作ったジュースを開けました。2ヶ月ぶりに飲んでみたら、、、
左が白砂糖のもの、右がてんさい糖のもの。色が全然違います!そして、すんごく美味しい!毎日のように酵素ジュース飲んできたけど、ハッとするほど味が違います。まろやかなコクで梅ジュースとは違うものになってます。白砂糖だと梅のさわやかな香りが残り、てんさい糖だとコクと深みがでてまろやかです。
それぞれ違って美味しいですが、栄養的に変わらないとかいろいろ言われるけど、やっぱりてんさい糖美味しい。作ってる最中はアクのせいか一番変な味してたのにね。発酵は奥が深いなぁ〜
↓ ↓ ↓
さて、美味しいけれど安全性にちょっと不安のある酵素ジュースですが、清潔な容器でよく洗った手でかき混ぜたら大丈夫と私は思っています。
でも、飲み物に手を突っ込むなんていやだわ〜という感覚もわかるし、いったい本当に健康にいいの?というのも正直なところです。
発酵面白い!手づくりが楽しい!という方には自家製酵素ジュースがおすすめですが、健康のためダイエットのために飲みたいという方には、信頼できる会社の酵素ドリンクの方がいいかもしれませんね。
市販品もたくさん出ていますので、気に入ったものを試して見てください。
私は九州住まいということもあってこちらの優光泉酵素を試してみました。
優光泉は佐賀県にある断食道場が作っているドリンクです。自社で使うために作った酵素ドリンクだそうでダイエットにもよいそうです。
素材は九州産を中心に厳選されていて、原材料をみるとズラーッと野菜や果物の名前が並び、添加物が全く含まれていません。糖分は砂糖ではなく麦芽糖を使っています。
飲んだ感じは自家製酵素ジュースにかなり近くて無添加なのがうなずけます。ですが優光泉は野菜がたくさん入っているため梅やビワなどフルーツだけのものに比べて少し野菜の風味がします。私の印象では大根のはちみつ漬けやリンゴ酢のような味がします。
純粋にジュースと思うと自家製のフルーツ酵素ジュースの方がおいしいですが、なん十種類も野菜が入っていることを思うと体にはこちらの方がよさそうです。お好みですが梅の方が野菜の香りがせずにおいしく感じました。
他のドリンクもまた飲んでみたら感想をお知らせしようと思います。
こちらも合わせてどうぞ