今年もまたカエル君の季節がやってきました。うちは周りを田んぼに囲まれた農村にあるのですが、毎年この季節になると、うちの物干し竿のパイプの穴にちょこんとカエル君が現れます。毎日洗濯物を干していて、ある朝突然そこにいるのです、ずっと前からいるような顔をして。今日は仲良しのがまくんとかえるくんのお話です。
あまりにも有名な絵本で、今さら私が説明するまでもないのですが、仲良しのがまくんとかえるくんのほのぼのとした心癒されるお話が5つ収められています。
明るい春の日差しを一緒に楽しもうと冬眠中のがまくんを起こしに来たかえるくんですが、がま君はいっこうにベッドから出てくれません。そこでがまくんと遊びたいかえるくんのとった行動は、、、かえるくんがおかしくて愛らしい「はるがきた」
病気で寝ているかえるくんにお話を頼まれたがまくんですが、よいお話が思いつかずに逆立ちしたり、水をかぶったり、ついにはひっくりかえってしまいます。そして、、、がまくんの不器用な友情をかえるくんはちゃーんと受け止めてくれます。「おはなし」
山越え川越遠い道を歩いてやっと家に帰った2人、ところががまくんの上着のボタンが一つありません。ふたりでもう一度もと来た道を探しながら歩くと、いろんなボタンがでてきました。がまくんのかえるくんへの感謝の表し方がなんとも素敵、、、「なくしたボタン」
川で泳ぐことにしたがまくんとかえるくんですが、がまくんは水着姿を見られたくありません。ところが「見ないで」と言うほどみんなが集まってきて、、、ほのぼのと笑える「すいえい」
手紙をもらったことがないと落ち込むがまくんに、かえるくんは急いで家に帰って手紙を書きました。それをかたつむりくんに預けると急いでがまくんのところに戻ります。がまくんを喜ばせたいんだけど、待てど暮らせど手紙は来ません、、、「おてがみ」
これといって大きな事件があるわけではなく、2人の日常の一コマが取り上げられているだけなんですが、なんとも言えずふたりの関係がいいんです。お互いマイペースで、性格も違うんだけど、とっても仲良し。どのお話にも相手をいたわる気持ちがあふれていて、読んでいるこちらも一緒に幸せになれるのです。
私たちは日々の生活の中で、誰かのせいで遅れたり、誰かのせいで失敗したり、そしてそんな時、あ〜あとため息をついてしまったり、、、そんなことを何回も経験しています。そしてそれが他人であれば、口にこそ出さなくてもちょっとイラッときたりします。またそれが自分であれば、申し訳なさに体を縮めたり卑屈になったり。
けれどがまくんとかえるくんは全くそんなそぶりもなく、心から相手を心配して、迷惑とも思わず、また迷惑をかけた方もまっすぐに相手を信頼して素直に甘えます。どちらも本当に純粋でさわやかで素敵です。こんな友達にみんなが憧れるからこの本はこんなに人気があるんでしょうね。
うちの娘は英語教室のラボパーティというのに通っています。ここは古今東西の名作絵本のCDを教材として作っていて、その中にこの「ふたりはともだち」( Frog and Toad Are Friends) もあります。このCDが本当によくて、がまくんもかえるくんも本のイメージにピッタリなんです。一般販売もしていますので興味のある方はこちらをどうぞ。英語ですが本当に簡単な英語で十分楽しめます。
ふたりはともだち [ アーノルド・ローベル ]
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